だいありー

ブログだなんてとても言えない、個人的な走り書き置き場です

人生と向き合った100分間 ~LUNGSを観劇して~

※個人的な話も沢山出てきますのでご注意下さい。




LUNGS観劇前の気持ちを一つ前の記事https://dadadawest.hatenablog.com/entry/2021/11/06/125510に書いた通り、私は成り行き任せで妊娠出産をしてしまった人間なので、子を持つか持たないかを真剣に話し合う二人に喝を入れてもらうつもりだった。


だがしかし、まさかまさかの展開にびっくり仰天。

彼らもなかなかに成り行き任せの波乱万丈な人生だったので。

 
どうしてあんなに難しいことまで語り合うのに、セックスはしてしまうのだろう。

でもその本能的で愚かな部分が人間らしくて、お互いを純粋に好きな証拠でもあって(世の中にはそうでない理不尽なケースもあるから全肯定はできないが)、ある意味運命的なものでもあるのかな…なんて、私自身が都合のいいように受け取らせてもらった。

愛しき二人の人生を通して、悩んでいた自分の背中を押してもらえたような、これから立ち向かうべき課題を提示して貰えたような。個人的にはとても救われた気持ちだ。

もっと若い頃に観劇していたらどんなことを感じたんだろう。本当に、観る人や観る時期によって、かなり変わってくる作品だと思う。


(以下、まとまらない殴り書き感想はこちらに置いたままになっています。https://fse.tw/eMWk1IAH)




観劇された方が「舞台の感想のはずなのに、なんだか自分の話になってしまう…」と呟いていたり、パーソナルな部分も交えた感想を書かれていたりする。

そうなってしまうのもこの舞台の魅力の一つだと私は感じる。 

雑誌のインタビュー等で

「1から10まで伝え切るのではない」

「70~80パーセントほどしか説明しない」

「観客の想像力で解釈してもらう余白も残している」

「100人いたら100通りの考えがある」

(※すべてニュアンス)

と神山くんは語っておられた。

その余白に自分自身を投影してしまう人も多いのかな。少なくとも私はそうだった。 

この舞台が、セットも衣装替えも音響照明もがっつり世界観が固められていたら、そうはならなかったように思う。

素舞台ならではの余白に、自分自身のあれこれが入り込んでいく。 
ただ余白と言っても、セリフや場面転換は超高速。あのテンポ感だからこそ、自分がぐさぐさと刺さる部分が際立ってダイレクトに飛んでくる気がする。 

なるほど、これが観客も一緒に舞台を創っていくということか…と新鮮な感覚だった。


二人の男女の人生と、自分の人生とに向き合った100分間を、私はこれからも大切にしていきたい。


神山くんを応援する過程でLUNGSという衝撃的な作品に出逢えたことを本当に嬉しく思う。

神山くん、奥村さん、谷さん、スタッフの皆さん…チームLUNGSありがとう!千穐楽まで完走、おめでとうございます!